みずたに探究室。 ゆる〜いアスリートの日々の気づき

ひっそりと生きているアスリートが、日々の気づきや探究結果を公開しています。以下、絶賛連載中! "日本一ゆるい陸上選手の〜"シリーズ ①エッセイ『アスリートが社会のレースから降りてみた』 ②生き方提案『心が軽くなるネコ型お気楽ライフのすすめ』 ③指導の哲学『心を殺さない指導 脱・勝利至上主義』 ④走りの哲学『走りの3種の神器 -腹圧・乗り込み・重心移動-』

<<<旧記事>>>【走るのがなぜ好きか、考えてみた。】

僕は世界一美味しい料理をテレビ番組を見て知っても嬉しくない。

もし毎朝、世界一美味しい料理をシェフが作ってくれたとしてもあまり嬉しくない。

 

でも僕は、チャーハンを作りながら、"この食材、意外とチャーハンとに合うな!"と発見するのは好きだ。

つまり僕は、今まで自分の引き出しになかったものを自分で見つけて、感動したいのだ。

これは僕が陸上を好きな理由と似ている。

僕は、自分が今まで知らなかった"速く走る感覚"と出会うことに最高に興奮する。

 

何年も走り続けていると殻を突き破った瞬間と出会える。

高校2年生で初めて50秒の壁を破り都大会で優勝した瞬間、大学2年生ではじめて48秒の壁を破った瞬間。

"まだ自分の知らない世界があったのか!別次元に来たぞ!"という瞬間の興奮が今でも体に残っている。あの体験は何ものにも変えがたい感覚だ。勝ったことより、強く印象に残っている。

僕はその感動を望んでいるのだ。

だから、自分の知らない誰かが世界新記録を出しても、特に何も思わない。スポーツをやっている人で、他人の競技に興味がない人は一定数いるだろう。


ジョギングやウェイトが趣味で"体を動かしてストレス発散!"という人の考え方もいまいち共感できない。

現在は趣味で100Mを走っている。

未経験の100Mだから、その殻を突き破る瞬間が頻繁に来る。だから今も走ることがとても楽しい。

この自分の常識が覆る感覚は、営業の仕事や写真撮影などでもあった。

でもその時の感動は、自分の肉体を使うスポーツに勝るものではない。

だから料理では、キャベツの千切りのスピードを高めることの方がハマる。

カラオケで、どうやったら思い通り与えるか練習することにもハマる。

こういった、自分の知らない感覚と出会える感動とは、ただ待っていて出会えるものではない。

探して探して、それでも見つからなくて、それでもふとしたときに、まるで神様がくれたプレゼントかのように出会えるのだ。

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