<<<旧記事>>>【"東京オリンピック"と"引退"】後半
前回の記事では、"引退する選手に、生き様をさらけ出して欲しい。"というメッセージの理由①『その方が、その選手を好きになれるから』に関して述べた。
今回は、
・理由➁:そうすることで、日本が変わる気がするから
・理由➂:その方が、その選手が幸せになれるから
を述べるために、なぜ自分の人生"生き様"をさらけ出せないのか、日本の教育の特徴(デメリット)について述べたいと思う。
理由➁生き様を出すことで、日本が変わる気がするから
アスリートに変えてほしい日本の悪いとこ:"らしさ"の強要
日本は道徳が強い教育のため、集団の暗黙のルールが厳しい。
幼少期から"優等生・いい子かどうか"で判断され、生き方まで強制される。
"高校生なんだから" "お姉ちゃんなんだから" "キャプテンなんだから"といった風に、"個性を曲げて役割を演じろ!"と強要される。だからアスリートは"アスリートらしさ"を強要される。そこから外れて髪を染めたりしただけで、誰にも迷惑をかけてないのに"アスリートなんだからチャラチャラするな!"と非難され、応援されなくなる。ひどい場合は、"アニメを観るのが趣味"といっただけで"そんなことばっかしてるから勝てないんだ!"と論理が破綻したお叱りの言葉が飛んでくる。
だから日本人は、いつしか"らしさ"から外れた行動ができなくなり、誰かが望んだ自分を演じる癖がついてしまう。余談だが、だから日本人の若者は世界的に見ると自己肯定感が低く、やりたいことがなく、どこか生きづらいと感じている。問題児や落ちこぼれが出ないことが日本の教育のメリットであるが、そのデメリットとして、鬱・引きこもり・自殺大国となっていると、私は常日頃から発信している。
"アスリートらしさ"はクソくらえ
実はこんな日本を、もっと自由に生きられるよう変えることが私の人生のミッションであり、そのお手伝いをアスリートの方々にしてほしいと願っている。具体的には、感情に蓋をして"アスリートらしさ"という役割を演じるのでなく、むしろ感情を前面に出して"自由に、自分らしく生きていっていいんだよ!"と世の中に発信するシンボルになってほしい。
試合の感想を記者に聞かれたら、"日本の皆さんの応援のおかげで~"ではなく、"楽しかった!" "なんも覚えてない!" "もう1回走りたい!"くらいの素直な言葉が聞きたい。北島康介の"チョー気持ちいい!"が流行語大賞をとったのも、飾り気のない言葉だったからだろう。
"らしさ"を強要される、不自由で生きづらい日本をもっと自由に良くしていくためにも、アスリートに生き様をさらけ出してほしい。
理由➂"生き様を出した方が幸せだから"
"私のミッションの手伝いをしてほしい"と偉そうなことを書いてしまったが、1番の理由はこれだ。アスリートに幸せになってほしい。
"生き様をさらけ出す"の反対は、"誰かの理想像を演じる"だ。前者は感情をモチベーションに夢中になれるが、後者は感情に蓋をして義務感だけで努力する。"アスリートなんだからもっと頑張らなきゃ" "アスリートなんだから結果出さなきゃ,オリンピックに出なきゃ"と、誰かに命令されたかのように自分を追い込み、心が疲弊しいつか頑張り疲れる。何より本人が楽しくないし、結果が出たとしても喜びより安堵が勝つ。そういった選手は悲壮感が漂っているので見ていてとても辛い。
なので、アスリートに幸せに生きてもらうためにも、誰かが作った"理想のアスリート像"を演じる必要は全くなく、そもそもあなたは生きているだけで素晴らしいので、"アスリートらしさ"ではなく"あなたらしさ"という生き様を見せつけてほしい。
最後に
さて、2回にわたって"生き様をさらけ出して欲しい"というメッセージを述べてきた
その理由は、以下3つ。
・①その方が、その選手を好きになれるから
・➁そうすることで、日本が変わる気がするから
・➂その方が、その選手が幸せになれるから
生き様とは"自分の感情に素直に従って人生を歩む姿"だと思う。生き様の逆は、"自分の感情に蓋をし、誰かが求める理想像に従い、演じる姿"だと思っている。後者が求められるすぎる世の中では、真面目で頑張り屋の優等生ほど損をする。いつか人生に絶望する。"アスリートなんだから頑張って当然だ"という義務的な風潮を、"アスリートも頑張りたいから頑張ってるんだよ!自分の感情に素直に従ってるだけだよ"という感情的な世の中に変えていきたい。でも自分1人の力ではできない。だからアスリートの皆さんの原動力となっている感情・本音を世の中にどんどん出していってほしい。"喜怒哀楽"のどれかを求めて走るのか、"1番にならなきゃ気が済まないから!"なのか、"試合のヒリヒリした緊張感がたまらないから!"なのか、『人それぞれ違って当然!十人十色!!』という当たり前のことを世の中に発信していってほしい。本音に溢れた世の中になったら嬉しい。