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<第2回>カメラ業界について

日本が世界のトップをひた走る業界です。
頭の中にある情報だけを頼りに、一気に書き上げました。

カメラ業界の今とこれからを書きました。
就活生の方は、"業界研究ってこうやれば深まるんだ!"というような目線で読んでみてください。

 

\はじめに/
今日はデジタルカメラ業界について書いていきます。
就活生の方は、"業界研究ってこうすれば深まるんだ!"というような目線で読んでみてください。

 

①\日本が世界を牽引するカメラ業界/
現在デジタルカメラを作っている企業はキヤノンニコンを筆頭に、ソニーオリンパス富士フィルム・リコーペンタックスパナソニックなどがあります。
日系企業が世界全体をリードする数少ない業界です。ほかに日系企業が世界をリードする業界として思いつくのは、世界のトヨタを筆頭とした自動車業界ですかね。ただ自動車メーカーはアメ車・イタ車・イギリス車・フランス車・ドイツ車と、欧米のブランドも相当強いので日本一強というわけではありません。特に自動運転に関しては、日本は法整備に時間がかかるためにかなり出遅れています。

 

②\一般人はスマホで写真を撮るようになり、カメラメーカーはカメラ愛好家に向けてカメラを作る/
さて、いまはスマホで誰でも写真が撮れる時代となっています。
そしてそれに伴い、世界中でインスタグラムが大流行。インスタグラマーと呼ばれるインフルエンサーも生まれました。
日本では宮崎あおいさんが火付け役となり、女子が一眼カメラを持つという、世界にも類を見ない"女子カメ"という文化が根付いています。
京都やディズニーランドといった観光地にいくと、一眼カメラをぶら下げた若者が本当に多くいます。

そんなデジタルカメラですが、先ほど述べたスマホの登場によって、ここ数年で世の中から求められる役割が大きく変わりました。
おおよそ20年前、私が物心のついたばかりの頃は家にフィルムカメラがあり家族旅行に持って行っていました。
そこから数年後に野球少年となった私は、プロ野球選手の写真を撮るために、タッキー&翼がCMに起用されていたOLYMPUSのデジカメを買いました。
中・高の修学旅行の時には"写ルンです"を買って、"旅行中に27枚を使いきり現像を楽しみに待つ"といった行為に勤しんでいました。

このように、旅行の思い出やスポーツ観戦の思い出を切り取る写真を"記録写真"といいます。"とりあえず撮りたいものが写っとけばいい"といったイメージです。

こういった記録写真はスマホで十分撮れる時代になったことで、1〜2万円のいわゆるデジカメは全く売れなくなりました。
そのため各カメラメーカーは、"記録写真"を撮る人から、趣味嗜好性の高い"作品"を撮る人にターゲットをシフトしました。
例えば"スマホでは撮れない写真を撮りたい"といって、7万円程度の一眼カメラや背景のボケる2〜3万円の交換レンズを購入する若年僧です。このブームはメーカーが思ったより長く続いています。
しかし同時にスマホに搭載されるレンズやセンサーの技術が信じられないくらいのスピードで向上しており、スマホでも背景のボケる写真が撮れたり、手持ちで夜景がキレイに撮れる時代が到来しました。(数年前は、"iPhoneで撮った写真は、液晶で見るとキレイだけど印刷すると汚い"なんて言っていましたが、今では印刷しても十分キレイです。ちなみにそれはセンサーが某日本メーカー製のものになったからと言われています。)

そんな状況ですので、各カメラメーカーはもっとコアなカメラ愛好家をターゲットにし出しました。
それは例えば"撮り鉄"といわれる鉄道を撮影する人たちや、戦闘機、野鳥などを撮影する人たちです。こういった方々は良い写真を撮るための出費を惜しみません。
戦闘機や野鳥を撮る人は、速い動きのものにピントを合わせ続けたり、高速連写速度ができる一眼カメラを買います。そういった一眼カメラは平気で50万円くらいするのですが、彼らはそれを2台持ちします。
そしてそのカメラに、それ以上に高価な超望遠レンズをつけて撮影します。

 

③\2018年、業界に革命児現る。ゲームチェンジャー SONY衝撃/
一眼カメラは大きく分けて、一眼レフとミラーレス一眼という2種類があります。
ここで詳しく説明することはしませんが、一眼レフは重くてでかい、ミラーレスはちっちゃくて軽いです。
7年ほど前までは性能の差から、"本気なら一眼レフ、ミラーレスはおもちゃ"といった住み分けでした。しかし6年ほど前のOLYMPUS OM-Dシリーズの登場を皮切りに本格派のミラーレス一眼が製造されはじめ、パナソニックオリンパス富士フィルムソニーは一眼レフを作ることをやめ、ミラーレス一眼に全精力を捧げます。ミラーレス一眼の戦国時代に突入しました。
しかし先程述べたコアな写真愛好家は、"やっぱり鳥や戦闘機や鉄道は一眼レフじゃないと撮れない"と口にしていました。
その常識が昨年から一気に覆りました。

SONYが出していた"α"というフルサイズミラーレス一眼が、ここ1年で一気に技術革新を起こし、業界の勢力図を変え始めたのです。
(フルサイズミラーレス一眼を簡単に説明すると、めちゃめちゃ良い写真が撮れるけどめちゃめちゃ重くてデカかったもの小型に成功したというイメージです)
これにより、ソニーの一眼カメラがキヤノンニコンという"2大巨頭"の合間に入ってきました、それも世界規模で。
そして、ここ数ヶ月の間に"2大巨頭"のニコンとミラーレスがフルサイズミラーレス一眼の土俵に挑むと、相次いで発表しました。
ここから業界の勢力図がどう変わるか、誰も想像ができません。フルサイズミラーレス一眼、戦国時代です。

 

④\これからのカメラ業界やカメラメーカー/
さて、このようにカメラ業界はスマホの台頭をきっかけに、どんどん一般向けからコアな人向けに、広いところから狭いところに戦いの舞台が変わりました。
じゃあカメラメーカーってどんどん潰れちゃうの?という印象を持たれる方がいるかもしれませんがどうでしょうか。

私としてはいくつかのメーカーは事業撤退を余儀なくされると思っています。
それはカメラ市場が縮小していることに加え、カメラ以外の事業も壊滅状態の企業がいくつかあるからです。
どことは言いませんが、オフィス機器がメインのある企業と、半導体がメインのある企業はそのような状態です。
どちらもメイン事業の立て直しに全精力を注いでおり、サブのカメラ事業に手が回ってないように見受けられる時がありました。
ちなみに今年、カシオがデジカメ事業撤退を発表しています。

逆に富士フィルムはフイルムカメラが斜陽産業になった瞬間にフイルム技術を化粧品に活かし製薬メーカーとしての地位を築き、オリンパスは新製品が出るスパンの短いデジタルカメラで新しい技術を生み、それを医療用の内視鏡に転用し世界シェア8割の分野に育て上げ、ソニーは売上の半分はソニー損保と、いずれも会社としての体力があります。
キヤノンM&Aに積極的で、次の柱を作ろうと躍起になっています。

ちなみにキヤノンは最近、ヨーロッパ大手の監視カメラの会社を買収し、自社のカメラのノウハウと組み合わせ事業拡大を狙っています。
防犯カメラの業界といえば、まさにこれから伸びる業界です。
日本でも東京オリンピックに向けて物凄いスピードで防犯カメラが増えていっています。それに自分の会社のカメラのセンサーやレンズが使われたらすごい利益です。
さすが、オリンピックのスポンサーのキヤノンです。

他にもAIとレンズは最高です。例えば車を普段運転する方は想像つくかもしれませんが、今は駐車時にバックする際、モニターに車後方の映像が流れますよね。
今後自動運転の自動車が主流となりますので、車の前方にもレンズがつくようになります。ここのレンズのシェアを奪ったメーカーは強いです。
ルンバなど、今後更に伸びるであろうお手伝いロボットなんかにもカメラの搭載は必須です。
シンプルにiPhoneにレンズを供給しているレンズメーカーも超勝ち組ですね。

ちなみに、陸上競技でも棒高跳びのバーの横についているカメラや、走り幅跳びロイター板を撮影しているカメラなど、とあるカメラメーカーが暗躍しています。笑


⑤\まとめ/
長々と書いてしまいましたが、各業界をこのように過去、現在、そして未来と紐解いていくと、業界全体で何が起きているか、何をすべきか見渡せるようになります。
1〜2年目の社員がこのような経営者目線を持って意見が出せると、課長・係長に使われる立場から、本部長・部長が使いたいと思う人材へと一気にレベルアップできるかも?

本当は家電量販店やプロカメラマン、ゴープロやドローンの話も載せたかったのですが、またの機会に!