<<<旧記事>>><第3回>ニトリから見るインテリア業界
前回カメラメーカーについて触れましたので、今回はニトリをはじめとするインテリア業界について触れていきます。
この業界は"物を作るメーカーと、物を売る小売業"という関係性がぶっ壊れています。
ニトリや無印良品は"自分で製品作って自分で売る"ってビジネスモデルで利益産みまくり。
家電メーカーの場合、どんだけ製品が売れても◯◯カメラとか◯◯電機にゴッソリ利益持ってかれるんで。
ということでニトリはユニクロ・無印良品と並んで、"プライベートブランド持ってる小売店"の3大巨頭っていう感じです。
↓このあたりについてまとめてみました。
(まとめるというより羅列ですが、、、)
●インテリア業界最強のニトリ
●メーカー 兼 小売という、SPA-製造小売業
●プライベートブランドの歴史
●小売業とメーカーの関係
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以下目次です。
①国内インテリア業界最強のニトリ
②最強の理由
③日本市場の今後
④ニトリは海外進出に全力投球
創業者の似鳥会長は、自分と同じ思想の持ち主だと勝手に思ってます。
人をもてなすのが好きだったり、変にロマン持ってる芸術肌だったりで。笑
では、
①国内インテリア業界最強のニトリ
ニトリはインテリア小売業の業界NO.1の会社。
創業から31期連続右肩上がりと、浮き沈みの激しい小売業の中では異質な存在。
家具メインのニトリ、そして後を追う生活小物メインの無印の2強といった印象。
同業種の大塚家具とかはボロボロだし、外資の企業で世界的に成長し続けてるIKEAも日本ではニトリには敵わない。
なぜニトリと無印だけが圧勝しているのか。
その理由はSPAモデルというビジネスモデルにあります。
②ニトリ最強の理由
【SPAモデル】
※長くなるけど知っといて損はないです
ニトリが勝ち続ける理由の大部分は、SPAモデルというビジネスモデルをとっていることにあります。
簡単に説明します。
普通小売業といえば、お店でモノを売る会社です。
例えば家電の場合、ヨドバシカメラなんかが小売業にあたります。
パナソニックなどのメーカーが作った家電を仕入れて、自分の店で売ります。
なので、例えば1万円の利益があったとしても、ヨドバシカメラとパナソニックでその利益を分けることになります。
さらにパナソニックの倉庫からヨドバジカメラの倉庫に製品を運ぶので、輸送費もかかりますね。
それに対して、SPAモデルというのは小売業の会社が自ら製品を作っちゃうことをいいます。
かんたんにいうと、プライベートブランドってやつですね。
ヨドバシカメラが自分で家電を作って売ったら、利益がそのまま入りますね。
SPAモデルを取り入れている製造小売業の会社は、ユニクロ&GU、無印良品、メガネのJINSなんかがあります。
そして最近ではZOZOがZOZO suitを始めて話題になりました。
で、ニトリが最強な理由は製造と販売だけでなく、物流まで自社でやっていることにあります。
例えば某カメラメーカーの場合、作った大量の製品をヤマト運輸の巨大倉庫に預けているので毎月膨大な費用がかかっています。
それを配送する際も、ヤマト運輸に膨大な費用を払っています。
それを自社で行うのでコストを抑えられます。
コストを抑えられるので、その浮いた費用を使って
【❶価格破壊】を起こすことができます。
しかもただの安売りではなく、しっかりした性能のものを安く提供することができます。
実はニトリは"顧客のニーズに応じた製品を作って販売する"という理念があるので、製品の悪いものは作らず、毎年製品を改良し続けています。
費用が浮くメリットはそれだけではありません。
ニトリはSPAモデルによって浮いた費用を使い、イケアなどが真似できない戦略をとっています。
それが【❷都市型店舗】です。
地方郊外に店舗を構えるイケアなどと違い、ニトリは新宿駅などにも店舗を出しています。
実はイケアは都市に店舗を出したくても土地代が高すぎて進出できないのです。
しかしニトリは浮かした費用を賃料に回すことで都市にも出店できます。
とはいっても、家具や生活雑貨を新宿駅で売っても、みんな電車で来るので自宅に持って帰れないですよね。でも、配送に面倒くさい手続きがあったり、何日も待たされるのは勘弁。。。
そこでニトリの強みが活きます。それが、ニトリがSPAモデルだけでなく物流まで自社で行なっている点です。
ニトリは物流まで自社で行なっているので、買い物の際、アプリ1つでその場で配送の手配ができます。
このアプリを【手ぶら de ショッピング】といいます。
家具は大きな車で買いに行くという概念をぶっ壊しました。
このビジネスモデルはどこも真似できません。
❶価格破壊
❷都市型店舗
❸手ぶら de ショッピング
以上の理由から、他の追随を許さない成長ができているのです。
③日本市場の課題と今後
1:家具自体が耐用年数が長いので買い替え需要が起きにくい。それをいかに買い替えさせるか。
→例)季節によってカーペットやカーテンを一新させる提案をするなど。(ちなみにニトリは自社製品のみを販売するので、メーカーに気を使わずお店で色んな提案がしやすい)
2:日本の新設住宅着工戸数は今後右肩下がり。つまり新居が立たない。晩婚化や少子化の影響によるもの。むしろ空き家が増えて行く。
その中で、いかに新しい需要を生むか。
→建設関係の人々はリフォーム市場を盛り上げているので、それに乗っかると良いかなぁと私は考える。(ガッチリマンデーを見て思いました)
また、訪日客増を追い風にするには、ホテル市場を攻めるのがいいかと。
ちなみにニトリは北海道の銀鱗荘という旅館を買収したので何かしらアクション起こすと思います。
3:プライベートブランドが増えてきた中で、いかに選ばれるか。
→ニトリ、無印だけでなく、プライベートブランドの生活雑貨は増えてきています。
そのためSPAモデルが次の第3ステージに入ると言われています。
つまりプライベートブランドは、
昔:安かろう悪かろう
今:安いのに品質いい!
と進化してきましたが、これからは"数あるブランドの中で、買いたいからニトリを買う!"と選ばれる必要が出てきました。
何か新しい革新的な提案方法が必要になります。
ファッション業界では、ZOZOのZOZO suitが革新的で、それにあたります。
1:どのように買い替えさせるか
2:どのように需要を増やすか
3:どのように選ばれるか
以上の3つが、日本市場の今後の展開の鍵になります。
まとめると、
ニトリはプライベートブランドを作って"自分で製品作って自分で売る"というビジネスモデルで利益産みまくり。
↑さらにここを飛び越えたのがゾゾタウンですね!
その3大巨頭と違って、店舗を持たないネット販売なのにZOZO SUITというプライベートブランド作ったので。
なので"ネット販売"について自分の意見を持って面接受ければ、一目置かれると思います!
こんな感じですかね。
メーカー出身の自分にとって小売店との争いがない会社は羨ましいです。笑
なので、今後就職したり転職する際は、ぜひ小売とメーカーの関係性を事前に調べてからにしてみてください!
ユニクロ、無印、ZOZOはいつか取り上げます。